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スッポン類 – ダレル セネーク
(Translated by Yasunori Tanaka)
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科 : Trionychidae (スッポン科)
属 : Amyda (インドシナオオスッポン属), Apalone (アメリカスッポン属), Aspideretes (インドスッポン属), Chitra (コガシラスッポン属), Cyclanorbis (クビスジフタスッポン属), Cycloderma (フタスッポン属), Lissemys (アジアハコスッポン属), Dogania (ヒラタスッポン属), Nilssonia (ミヤビスッポン属), Palea (イボクビスッポン属), Pelochelys (マルスッポン属), Pelodiscus (キョクトウスッポン属), Rafetus (ハナスッポン属), Trionyx (スッポン属)
スッポン類、つまりTrionychidae(スッポン科)のカメは、水の通るところであれば、世界中のほとんどどんなところにでも見られます。オーストラリアと南極の両大陸を除く全ての大陸で、この独特の科である、スッポン科のカメが生息しています。オーストラリアにも約4万年前の更新世には住んでいましたが、絶滅してしまいました。
成体の大きさでは20 cmのものから200 cm(2メートル)になるものまでいるスッポン類ですが、そのスッポン類全ての各種類に、特別に何が必要になるかとか、どのように飼育し、管理するかの点で、多少の違いはあっても、そのことは驚くに当たりません。このケアシートでは、スッポン類の一般的な飼育方法のみを扱っています。最良の飼育方法を確立する為には、更なる研究が不可欠です。
自然界では、スッポン類の殆どが、底が軟らかい泥や砂になっている水場に住み、自分自身の身をそれらの下地にうずめて、外敵から見つからないように無駄に動かない、という習性を持っています。スッポン類はまた、一般に甲羅干しも大好きで、 岩や浮木に登ったりしますが、とりわけ ぬかるんだ土手によく上がって、適した体温を維持します。これらスッポン類は、生まれながらに肉食傾向が非常に強く、飼い主や取り扱う人が注意しないと、非常に痛い一噛みを食らわせることができ、それも、肉食性の生き物であるだけに、電光石火のような素早さで噛みついてくるのです。スッポン類は、自然界で食べている餌の大部分は、ザリガニや水棲昆虫、動物の死肉や腐肉、魚を食べており、植物質のものを食べることもあります。私(このケアシートの著者)の気づいたことですが、スッポン類は、市販されているマスの餌やナマズの餌を与えても、すぐに慣れて、食べるようになるものです。私は若い、すぐに大きくなる個体には、少なめの量を毎日、あるいは多めの量を隔日に与えています。
カルシウムの栄養補助を追加的に行なうことは欠かせません。粉末状のカルシウム剤は、全ての餌に振りかけたり、餌自体の中に入れたりして与えることができます。もし皆様のスッポンが屋内飼育のものであれば、カルシウムと共に、ビタミンD3のサプリメントを、屋外飼育の場合はビタミンD3なしでカルシウムだけのサプリメントを与えることを提案いたします。イカの骨は、かじりたがるのであれば、与えることをお勧めします。市販されているカメの餌も、生きた魚もどちらも与えられていない場合、マルチビタミンの栄養補助は、脂肪の代謝に欠かせません。魚は冷凍すると、その過程でビタミンEが破壊されるのです。これはスッポンの健康な状態を維持するために必要な成分です。
生まれつき備わった攻撃性のため、同じところに何匹も飼うべきではありません。これは別種のスッポンであっても、またスッポン以外のカメでも同じく、たくさんの個体を同じところで飼うべきではありません。飼育場が大きいほど、たくさんのスッポンが飼えるのは自明ですが、私は、2メートル四方の池では、たくさんの視線ブロック(訳者注 ・ 飼育槽の中の複数の個体同士(ここではスッポン同士)が、視線を遮るために、飼育槽の中に置く、岩や丸太、レンガ、ブロックなどのこと。これにより互いの視線を受けることによるストレスを軽減でき、また飼育場全体も広く感じられる。個体がどこにいても、ひと目では飼育槽全体を見渡せないようにすれば良い。個体が閉じ込められることのないようにする)によって安全が確保できていないなら、20 cmのスッポンであれば3匹までで、それ以上は飼えないと思います。
屋内の水槽飼育では、スッポンが底の砂に身体をうずめたまま、首を伸ばして水面に鼻を伸ばして息ができるような水深に保っておく必要があります。このことは、スッポンの幼体に関しては、特に重要なことです。このような屋内での水槽飼育では、甲羅干しができる陸場を設け、そこに、金物屋にあるような反射板のついた、クリップつきのランプを用意して、甲羅干しの場所(バスキングスポット)が摂氏35度前後になるようにセットします。飼育場には他に、UVB(中波長紫外線)が必要なので、フルスペクトルの蛍光灯も設置しましょう。UVBは、ビタミンD3(カルシウムの代謝に必要)の生合成には欠かせません。もし、以上のような証明設備よりもお好みでしたら、「Active UV Heat」のような電球を使ってもよく、それ一本で甲羅干しの熱と紫外線の両方の要求に適います。
池や水槽の底には、細かい砂や泥を使いましょう。砂利や岩などは とがっていると、スッポンの甲羅にすり傷を作る原因になりやすく、そこからミズカビや細菌に感染し、命にかかわることもあります。
このような、ミズカビなど真菌に感染し、それが広がる傾向があることから、スッポン類が、屋外であれば日光に当たれるようにし、屋内でもフルスペクトルの蛍光灯やランプに当たれるようにするのは、極めて重要なことです。ミズカビなどの真菌に感染した個体の治療はよく行なわれていますが、それを予防するための最善の方法は、実に簡単で、ただそのスッポンたちが甲羅干しをしたいと思ったときに、簡単に行けるようにすることです。こうすれば甲羅もすっかり乾くでしょう。真菌の感染を予防する他の方法は、飼育環境の水のpH値を6.0~6.5まで下げることです。大半の真菌類は、環境が、そのように少し酸性になっただけでも、繁殖しなくなります。
病気を予防するために、非常に重要になる、もう一つの条件は、水質にあります。一般的に言って、飼育している水が多いほど、水質の問題が少なくなります。少しの時間とお金で、環境を整え、適当な濾過器を買えば、それでスッポンを含む水棲ガメについてまわる、多くの問題が防げるのです。
しかし、より高めの、外部式の濾過器か、ドライ-ウェット式の濾過器に比べると、水槽内投入式の濾過器は、性能も劣り、濾過器自体の掃除の頻度も多くなります。これから追加される性能を考えると、高めの濾過器を買うことで必要な費用は、わずかなもので、高性能の濾過器を購入されるのがいいでしょう。
様々なカメの飼育の研究が、まだまだ進行中であるということは、注意しておかなければならないことです。新しい情報が手に入れば、我々はその情報を、World Chelonian Trust(ワールド・ケロニアン・トラスト、www.chelonia.org )で公開していきます。スッポンも含め、カメをまじめに飼育している人は、同じ種類のカメを飼育している他の人からの援助を受けられることが、役立つものであることに気づかれています。飼育については、我々のメールコミュニティー(英語)で討論できます。そしてそれに参加するには上記アドレスからアクセスして下さい。どうか我々と連絡を取り、World Chelonian Trustのメンバーになられて多くの益を得て下さい。
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