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ヒョウモンガメ ― Geochelone pardalis ― ダレル セネーク
(Translated by Yasunori Tanaka)
Leopard Tortoise – Geochelone
pardalis - Darrell
Senneke
豹龜的飼養指南
–
Geochelone pardalis (BIG 5)
– Darrell Senneke
豹龟的饲养指南
Geochelone pardalis (GB)
Darrell Senneke
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Testudo pardalis babcocki LOVERIDGE 1935
Geochelone pardalis babcocki - AUERBACH 1987: 67
Geochelone pardalis babcocki - BROADLEY & HOWELL 1991: 8
Geochelone pardalis pardalis (BELL 1828)
Geochelone pardalis babcocki (LOVERIDGE 1935)
このケアシートは一般的な飼育方法です。最良の飼育方法を確立する為には、更なる研究が不可欠です。
ヒョウモンガメ(Geochelone pardalis)は、リクガメの中でペットとして最も一般的に飼われている種類です。この種は、繁殖も頻繁になされているため、人工飼育下で生まれた個体として、手に入れやすい種類になっています。
黒と黄色の美しいコントラストのある背甲が、非常に魅力的なリクガメなのですが、注意していただきたいのは、この美しい模様は、生息地域であるアフリカのサバンナという地勢では、ほとんど目立たなくするためのものでもあるのです。このカメは本当に相当な大きさになり、成体になると40~50 cmになり、体重は18 kgほどになります。大きなヒョウモンガメの中には例外的に60 cmになり、体重も36 kgになることもありますが、これは稀なケースです。最終的にどのくらいのサイズになろうと、このカメは大きなカメであり、このカメに必要なスペースを確保しようと意欲的でなければ、その方はこのカメを飼い始めようとすべきではありません。
このカメは、じめじめした環境に敏感であるということがはっきりしており、そういった環境は呼吸器の病気をしばしば引き起こします。そのため、飼育には自然のものでも人工的なものでもいいので、飼育場が一様に乾燥しているといった状態にしなければなりません。
自然史 – ヒョウモンガメは非常に広い範囲にわたって生息しています。アフリカ、スーダン南部のサバンナから、南アフリカの喜望峰の地域にわたって見られます。ヒョウモンガメは野生では野草やサボテンを食べています。ミスティ コートンのウェブページ(Leopard Tortoise)では、包括的にそのカメが自然界で食べているもののリストを見ることができます。
分類学者によって見解は異なりますが、ヒョウモンガメには2つの亜種があるとする学者がいます。最も普通に見られる亜種は、Geochelone
pardalis babcocki(バブコックヒョウモンガメ
訳者注
・
ここで採用している亜種の和名は、この種のカメを2つの亜種に分けた場合の命名に基づいています)で、全ヒョウモンガメの分布の大半にわたって見られます。もう一方の亜種は、より大きく、やや甲羅の盛り上がりが低いもので、
Geochelone pardalis pardalis(ナミビアヒョウモンガメ)というもので、ヒョウモンガメの分布のうち、南方の一部に見られます。これらは地域変異であり、亜種という扱いには値しないとする分類学者も多く、その一方で、この2つの亜種を4つか、それ以上の亜種に分けるべきかもしれないと仮定する分類学者もいます。このカメを飼育する際に必要となるものは、2つの亜種で分けた場合にしてもどちらも同じであり、このケアシートでは、学名が
Geochelone pardalis、つまり単に「ヒョウモンガメ」というカメを意図したものです。
ヒョウモンガメの屋内飼育 – 屋内でヒョウモンガメの飼育設備をとして最も便利なのは、「タートルテーブル」を使うやり方でしょう( How to Build an Indoor Land Turtle Table by David T. Kirkpatrick PhD)。全体の外観は、本棚を後ろへ倒したように見えます。飼育設備の最も手頃な大きさは、60 cm×60 cmのものでしょう。カメが大きくなると、この飼育設備も大きくしなければなりません。ヒョウモンガメの成体を屋内で飼うには、少なくとも120 cm×240 cmの広さがなければなりません。「タートルテーブル」の底に穴をあけてもいいです。そうして餌か水、寝床の入れ物までをも入れていいでしょう。その表面と同じ高さに位置することになり、カメにとっては近づきやすくなります。
カメの飼育場に置く水の入った皿は、一匹が十分体を浸せるような大きさ、そしてまた溺れることがないような浅さが必要です。写真現像用のトレイが、ちょうどこの用途に使えます。乾いた環境の一部としての床材は、表面の土に子供の遊戯用の砂か、またはイトスギの樹皮を混ぜたものが使えます。しかしこの種もそうですが、他の乾燥を好むカメの床材として、著者が選ぶのは、干草です。牧草の干草は扱いやすく、カメがかじるのであれば、栄養の供給にもなります。干草は乾燥したものでなければなりません。なぜならヒョウモンガメは湿っているとか、常に湿度が高いといった状況には耐えられないからです。もし床材として砂が使われているのであれば、そこでは餌を地面に直接置くべきではありません。カメの胃や腸で砂が固まってしまい、それが消化管に詰まり、死ぬ可能性もあるからです。餌を与える場所として、飼育環境の中には全く砂のないところを、他の場所と分けて設けましょう。
金物屋にあるような、反射板のついた、クリップつきのランプを水槽の一角に設置して、人工的な甲羅干しの施設を作ってやりましょう。これは飼育環境の中にある、甲羅干しの為のバスキングスポットが、摂氏35度ほどになるようセットしましょう。水槽には他に、UVB(中波長紫外線)をカメに与える為に、フルスペクトルの蛍光灯を設置する必要があります。UVBは、ビタミンD3(カルシウムの代謝に必要)の生合成の為に、なくてはなりません。できるなら、この蛍光灯の代わりに水銀ランプを用いてもいいでしょう。それで甲羅干しの際の熱と、紫外線のどちらの要求にも適います。
カメが、涼しくてほの暗い隠れ家に行けるように、甲羅干しのスポットから離れた場所に、身を隠せる容器を用意しましょう。
屋外での飼育
–
外敵の入ってこないようにした飼育環境は、屋内での飼育環境を超えた利点があるので、暖かい時季には飼い方の一つとして真剣に考えてみられてはいかがでしょう。特に、ヒョウモンガメは大きく、草を食べるという習性から、気候が許す限り、できるだけ屋外で飼育しましょう。
餌 – 繊維質が多く、低タンパク、そしてカルシウムが豊富な餌は、消化管の働きを損なわず、順調に成長することを、確かなものにします。ヒョウモンガメにキャットフードやドッグフードを頻繁に与えると、腎臓病になったり膀胱結石が尿道に詰まったりして、死んでしまいます。スーパーマーケットで売られている野菜や果物は、概して繊維質も少なく、糖分が多すぎるので、与えすぎないで下さい。ヒョウモンガメは、(牛などのように)下草を食んで、それを餌にしているカメです。飼育環境でもこのような餌を再現するため、あらゆる努力をして下さい。果物は与えないか、与えてもごく たまにして下さい。
餌の例 :
· カモガヤまたは干し草
· チモシー(オオアワガエリ)やバミューダ グラス(ギョウギシバ)といった牧草
· 葉菜的な植物(タンポポ、クローバー、エンダイブ、ブドウの葉、クワの葉など)
· サボテンの芽
追加的にカルシウムの栄養補助を行なうのは不可欠です。粉末カルシウムは全ての餌に振り掛けてもいいです。もし屋内飼育の個体ならカルシウムと一緒にビタミンD3も入っているものを、屋外飼育の場合はビタミンD3なしでカルシウムを与えることをお勧めします。イカの骨も、欲しがるのであれば、それを与えて かじらせることをお勧めします。
ヒョウモンガメは、野生では冬眠しません。カメの健康やいい状態が続くよう、カメの大きさにかかわらず、越冬の設備を整えてください。
様々なカメの飼育の研究が、まだまだ進行中であることに注意して下さい。新しい情報が手に入れば、我々はその情報を、World Chelonian Trust(ワールド・ケロニアン・トラスト、www.chelonia.org)で公開していきます。カメを真剣に飼育している人は、同じ種類のカメを飼育している他の人からの援助を受けられることが、役立つものであることに気づかれています。飼育については、我々のメールコミュニティー(英語)で討論できます。そしてそれに参加するには上記アドレスからアクセスして下さい。どうか我々と連絡を取り、World Chelonian Trustのメンバーになられて多くの益を得て下さい。
(このケアシートは、2003年 3月27日に英文として更新されたものの翻訳です。)
参照ページ:
EMBL
爬虫類データベース http://www.embl-heidelberg.de/~uetz/LivingReptiles.html
World Chelonian Trust
www.chelonia.org
PO Box 1445
Vacaville, CA
95696
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