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カミツキガメ属 ― Chelydra属 (Snapping Turtles) ― ダレル セネーク
(Translated by Yasunori Tanaka)
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serpentina - Jesús Mendoza (Spanish
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Gattung: Chelydra
(Schnappschildkröten)
– Darrell Senneke
Genus:
Bijtschildpad (Chelydra) -
Darrell
Senneke
Chelydra serpentina serpentina
Chelydra serpentina osceola
Chelydra serpentina rossignoni
Chelydra serpentina acutirostris
このケアシートは、カミツキガメ類の一般的な飼育方法です。最適な飼育方法を確立する為には、更なる研究が不可欠です。
警告 : このカミツキガメというカメは、初心者や、子供には適切なペットではありません。大きなカミツキガメは、非常に攻撃的になることがあるので、飼い主がその個体の行動を正確に把握していないと、非常に危険なことがあります。
典型的な成体は、大きさが33cmになり、例外的に45cmにまで及ぶ個体もいます。 幼体でさえ、人間に強烈な強さで咬みつき、その程度は緊急な医療措置が必要なほどになる場合があります。
カミツキガメ類は、広い範囲 ― 北米東部からカナダへ、また南はエクアドルまで ― に生息しています。また、カリフォルニアに持ち込まれたこともあります。この種は非常に肉食傾向が強く、自然下では魚、動物の死肉、カタツムリ、甲殻類、オタマジャクシを餌にしており、他のカメを食べることさえあります。日和見主義的に食べるこのカメは、死んだ魚をあさるのと同様、ドングリを含め、植物質のものも食べます。
現在流通している知識や技術により、カミツキガメを飼おうとする人が、いくらかの基本的な要求を与えようという意欲がある限りでは、簡単なものになりました。ブリーダーがカミツキガメを繁殖させるのに成功しているおかげで、現在、人工的な環境で生まれた個体群の中から、子ガメを購入することができます。
カミツキガメは自然界では、地域的に絶滅の危機にあります。その為、自然界にいる野生の個体を、決して採ってこないようにしましょう。それから、カミツキガメが成体になったものとしての飼育の準備ができていないのであれば、その幼体を買うことは絶対にやめて下さい。
(訳者注・日本においては、2005年6月1日に公布された「特定外来生物被害防止法」により、国内でカミツキガメ(全亜種を含む)を新たに飼育し、繁殖させることが原則禁止に、また野外へ放つことも禁止されるようになりました。国内でこの種のカメを法律公布前から既に飼育中の方は、2005年12月1日までに許可の申請を行なう必要があります。尚、カメ類でこの法律の対象となっているのは、2005年6月1日現在では、この種だけです。)
カミツキガメの屋内での飼育
:屋内でカミツキガメを飼うのに、もっとも便利なのは、水槽を使う方法です。(生まれたての)子ガメには、7.5~15
cm
の深さの水場を用意し、水槽の片方に、岩などで甲羅干し用のバスキングスポットを作るのに、岩を組み立てることをお勧めします。ご注意いただきたい点として、カミツキガメは成長が速いです。小さな水槽から、使用する水槽を何段階にもわたって換えていくより、はじめから大きめの水槽で飼育するのがいいでしょう。子ガメには、20ガロン水槽、つまり75cm
× 30cmのものが適当なサイズです。そのカミツキガメが大きくなるにつれて、飼育環境の大きさも拡大しなければなりません。カミツキガメは全て、「水底を歩く」という動き方をするものであり、少なくとも彼らの住環境の一部は、彼らが水底に脚を付けたまま、簡単に水面まで首を持ち上げて、息をすることができる場所でなければなりません。カミツキガメはしばしば、水から完全に出て甲羅干しをしますが、同様に水面からわずかに沈めた棚も、甲羅干しに利用します。
水質は非常に重要です。少しの時間とお金をかけ、適切な濾過システムを買って取り付ければ、水棲ガメに伴う多くの問題は防げるのです。カミツキガメは、魚や、その他の獲物を、口でぎゅっと咬みしめ、それを前足のかぎ爪で細かくちぎって、餌を食べることが多いです。それでカミツキガメには、我々は筒型の外部式フィルターを勧めています。簡単に洗えますし、非常に上質な水が得られるからです。子ガメには、その水深の為に、適切な濾過をさせるのが、さらに難しくなります。それで潜水式のフィルターか、パワーフィルターをつけ、必ず頻繁に水替えをして下さい。
カミツキガメたちが、甲羅干しをする為の設備がなくても、うまく育っているとはいえ、私の意見では、日照で作る一日ごとのサイクルが、このカメが正常に行動するのに重要で、私はどのような方式で飼われていても、明かりを加えるのがいいと思います。
金物屋にあるような、反射板のついた、クリップつきのランプを、それを甲羅干しの場所につけて、人工的な甲羅干しの施設を、乾いた陸場にも、また同様に少し水に沈めた棚を作ったその場所にも、提供してやりましょう。これは水槽内の、甲羅干しをする地点、つまりバスキングスポットが、摂氏32度ほどになるようセットしましょう。水槽には他に、UVB(中波長紫外線)をカメに与える為に、フルスペクトルの蛍光灯を設置する必要があります。UVBは、ビタミンD3(カルシウムの代謝に必要)の生合成の為に、なくてはなりません。もしよろしければ、水銀ランプを用いてもいいでしょう。それで甲羅干しする際の熱、またUVBの面の両方の要求に適います。しかしこの種のカメの場合、これらのランプのうちの一つを買うお金があれば、更に効率的な濾過装置を買うほうが有益です。実際の水草か、人工水草を植えておくと、カメに安全感、そして隠れるスペースも与えることになります。カミツキガメは、実際の、生きた植物をボロボロにしてしまうものだということに、ご注意下さい。生きた水草が使われていれば、それらを頻繁に取り替えなければならず、その都度、新しい水草を供給する必要が生じるでしょう。カミツキガメは、隠れるもの、例えば素焼きの植木鉢を半分にしたものが与えられれば、しばしばそういった物に身を隠します。
屋外での飼育
:
外敵の入らないようにした屋外での飼育は、屋内での飼育に比べて、様々な利点がありますが、暖かい時期は屋外での飼育を、一つの方法として考えてみられてはいかがでしょう。子供用のプールを安全な飼育場所の地面に埋め込んだものは、実用的な飼育環境になります。屋外での大きめの水場に、高品質な濾過器を用いると、皆様の屋外のカミツキガメの住まいに、壮観な眺めを演出するものの、カミツキガメという種は臆病で、引きこもりがちな生き物であることを意識しておいて下さい。
餌 : カミツキガメは短期間ですぐに肥満になるので、餌を与えすぎないようご注意下さい。私は、成体であれば週に2、3回だけ、成長の速い子ガメには毎日か隔日の餌やりをお勧めします。カミツキガメは肉食傾向がとても強く、ザリガニ、昆虫、イモムシ、そして魚といったものが、このカメの餌の大部分を占めるでしょう。しかしハンバーグや挽き肉類は与えてはいけません。なぜなら脂肪分があまりにも多く、肉はすぐに腐って水を汚すからです。植物質の餌としては、アオウキクサや水草のようなものも与えます。こんにち、市場に出回っている、商品としてのカメ用の餌の多くは、カミツキガメの餌に変化をつける為に与えるものとしては、とても優れています。
追加的にカルシウムの栄養補助を行なうのは不可欠です。粉末カルシウムは全ての餌に振り掛けるか、餌自体の内側に入れてもかまいません。もし屋内飼育の個体ならカルシウムと一緒にビタミンD3も入っているものを、屋外飼育の場合はビタミンD3なしでカルシウムを与えることを、お勧めします。イカの骨も、欲しがるのであれば、それを与えて かじらせることをお勧めします。マルチビタミンの補充も、もし市販のカメ用の餌や生きた魚を与えていないのであれば、適切な脂肪の代謝に不可欠です。魚は冷凍されると、その過程で、ビタミンEが壊れてしまうからです。これはカミツキガメの健康を維持するのに重要な成分です。
扱い方 : 多くの本で、カミツキガメを持ち上げる際、尻尾をつかむように勧めていますが、このようなつかみ方はしないで下さい。これは大きめの個体では確かにそのとおりなのですが、小さめの個体も含めて考えると、このような持ち方は、脊椎に損傷を来たす危険が大きいのです。もしつかむ必要があれば、甲羅の後ろの、2本の後肢のちょうど前をつかむのが、最善です。カミツキガメは長い頚で稲妻のような速さで攻撃を仕掛けるので、くれぐれも極力、慎重に扱って下さい。
カミツキガメの中には、自然界で冬眠するものもいます。冬眠をする種には、安全な冬眠のさせ方を慎重に研究してから、その設備を整えましょう。
分類 : カミツキガメの分類学上の名前について考えるところを、準備ができた日を以って、このケアシートに反映させます。世界の生物分類学がかつて変わった例として、次の分類学の概要のところに、カミツキガメ属が入っているからです。“Crocodilian, Tuatara, and Turtle Species of the World - An Online Taxonomic and Geographic Reference”(「世界のクロコダイル、ムカシトカゲ、それにカメの種―オンラインの分類学及び地理学の参考文献」)というホームページによります。
ガフニー氏(1975年), フィールディアナ氏の『地質学』 33巻9号の157~178ページによると、「この科のPlatysternon(オオアタマガメ属)を含む属の関連についての系統発生論の研究がなされた」。ホイットストーン氏(1978)はカンザス大学の『科学公報』の51巻、539~563ページで、また同様に、カミツキガメ科の系統発生論の研究がなされ、その際、オオアタマガメ属がカミツキガメ科から除外された。
様々なカメの飼育の研究が、まだまだ進行中であることに注意して下さい。新しい情報が手に入れば、我々はその情報を、World Chelonian Trust(ワールド・ケロニアン・トラスト、www.chelonia.org)で公開していきます。カメを真剣に飼育している人は、同じ種類のカメを飼育している他の人からの援助を受けられることが、役立つものであることに気づかれています。飼育については、我々のメールコミュニティー(英語)で討論できます。そしてそれに参加するには上記アドレスからアクセスして下さい。どうか我々と連絡を取り、World Chelonian Trustのメンバーになられて多くの益を得て下さい。
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