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(Translated by Yasunori Tanaka)
リクガメを屋内飼育する際、主要な問題の一つとなるのが、そのリクガメの一生を考えた上で、十分なスペースを確保するということです。カメはヘビ類とは異なり、良い状態を維持するにはかなりの飼育スペースが必要となり、もし繁殖をお考えの場合は、特にそのことが言えます。ヘビの場合は、いくつかの場所に木の枝を多く配しておいた空間であれば、ほとんどどんな飼育環境にもなじみますが、一方カメの場合は、高いところへ登るのがうまくありません(しかし持続的にカメが上へ登ることを望み、その結果、高所へ登るというハンディを完全に克服すること(つまり脱走すること)も、たまにはあるのですが)。このようなわけで、カメには、ヘビ類よりも相応に広い飼育スペースが必要になります。
飼育スペース確保の問題を解決する方法の一つは、住宅のひと部屋をまるまるカメのために使い、自由に歩き回らせる、というものです。しかし、そういう部屋があっても、ほとんどの人はこの方法をとらないでしょう。この解決法には、まだ問題があります。例えば、カメの行動をそのままの状態で観察することが難しくなります。そして、このことに関連して、通気の確保やメンテナンスも難しくなることが挙げられます。
もう一つの解決策は、以前からなされていることで、いろいろな形や大きさの、ガラス製の水槽を用いることです。これによってカメの目線により近づけることができ、飼い主による観察のタイミングがばらばらでも、カメたちはすぐにその状況に慣れていきます。また、最適な環境を維持するのも楽です。ところが残念なことに、中ぐらいの大きさのリクガメを飼育するのに十分な広さのあるガラス製の水槽は、非常に重く、そのため扱いにくくなります。そうなると、水槽を掃除する際、問題が生じることもあります。水槽での飼育は、お金や手間の点で、犠牲となるところも大きくなるかもしれません。
私は上に述べた二つの方法でリクガメたちの飼育を試みましたが、結局のところ、次のような解決策を選び、それに落ち着いています。それは水槽と同じように機能しながらも、それよりもっと広く、掃除がしやすく、安くつく、というものです。それが「タートルテーブル」です。低い本棚やキャビネットの上に、2×4インチ(約5×10 cm、幅2インチ、高さ4インチにする)の太さの、木製の支柱を打ち付けて一つの枠にしたものを乗せ、更にその上に4×8フィート(約120×240 cm)の薄い合板(ベニヤ板)を乗せます。その合板には、長方形の穴を複数あけておき、そこに土、土と植物、または水の入った深いトレイを埋め込みます。穴をあける際は、そのトレイの縁の、四辺の全てが、合板で支えられるようにします。このタートルテーブルの縁にカメが迷い込まないように、四辺全てに高さ16インチ(約40 cm)のプレキシガラスをねじで固定します。そのプレキシガラスが交わる4つの隅は、水槽用の密封剤(シリコンシーラントなど)を塗って固めます。結果として大きなひらけた空間ができあがり、その側面は、透明で、それでいて丈夫なものに仕上がります。地面に埋め込んだトレイでは、カメが水を飲んだり、身を隠したり、穴を掘ったり、卵を産んだりすることができます。もし大きなトレイを使用している場合は、それだけ大きな穴もあけたわけですから、その場合はそのタートルテーブルの下から穴を通してテーブル内の環境に入り込んで、簡単に掃除ができるようになります。最後に、注意深く飼育環境を作り上げ、着色した後、ポリウレタンのコーティングを塗ります。このようにしてできたタートルテーブルは、どんな室内装飾とも、よく調和します。使用する部品のリストは、ここをクリックしてください。
タートルテーブルは、4~5つの段階を経て作れますが、それには、ポリウレタンや着色の塗装が乾く時間にもよりますが、2日から3日かかります(タートルテーブルの基本的な設計の分解組み立て図は、図 #1 をご覧ください)。タートルテーブルを作るときに最初のステップとなるのは、最も重要なことの一つ、つまり外観のレイアウトのデザインです。植物を植え込んだり水入れのトレイを置いたりする位置は、一旦作り始めると、あとでそれを変更することができないため、非常に重要なものとなります。また、照明やヒーターの設置も必要です。私は光源、また熱源として、クリップつきのテーブルライト(電球)を用いています。また、それはプレキシガラスの側面に直接取り付け、タイマーのところまでをフックで留めています。私は、それらの複数のライトを、水の入ったトレイの近くにまとめて取り付けており、植物の植え込んだトレイからは放しています。こうすると、カメが隠れたがる植え込みが陰になり、水もわずかに暖まります。複数のライトを一か所にまとめると、タートルテーブル内部には温度の高低差がつき、カメたちが自分の望む温度の場所へ行くことが選べるようになります。
一旦レイアウトが決まったら、合板の、トレイを埋め込む穴を切り取ります。その際、穴を大きく切り過ぎないように注意しましょう。穴は、トレイをその縁で支えられるよう、小さくしなければなりません。一旦切ってしまった後は、元に戻せませんので、常に、切りたいと思うよりも小さめに切って、トレイに合う大きさに、穴を削って広げていくという方法をとりましょう。
穴の切り取りが終わったら、ギザギザになっている穴の縁に紙やすりをかけ、着色剤とポリウレタンのどちらか、または両方を塗ります。それが乾いたら、目の細かい紙やすりか、スチールウールのどちらかで軽く磨き、その後二度塗りします。その際、合板の縁、特にトレイの周りも同様の作業(この場合は、水やその他のものが入り込む隙間のないように、念入りに行ないます。訳者が詳しく聴いたところによると、トレイの周りには、エポキシ樹脂の塗料かポリウレタンを使う人が多いとのことです)をすることを忘れないでください。
その次のステップは、土台となる枠の組み立てです。外側をシンプルに長方形に組み、内側に少しの横材を余分に打ち付けたものが使えます。その際、横材が、トレイを埋め込む部分と重ならないように注意してください(図 #1 は、その組み立て方の一例です)。 この土台の外側の部分に、防水効果と外観的魅力を添えるため、着色剤とポリウレタンのどちらか、または両方を塗りたいと思われるかもしれません。しかしその代わりに、より材質の良い木材を、合板の高さまで隠しながら、周囲全体に貼り付けて、その木材にしっかりと着色することができるでしょう。次に、土台の木枠にその合板を、釘かねじで止めます。そして水漏れを防ぐために、その釘かねじの上にも、軽くポリウレタンを塗ります。
最後に、プレキシガラスを切り、側壁にあてがいます。もし4×8フィート(120×240 cm)を使われるのであれば、購入時に、そのプレキシガラスを16インチ×8フィート(40×240 cm)の大きさのものが3枚になるように、業者の方に切っていただくといいでしょう。そうすると、あとはその3枚のうちの1枚を半分に切って、40×120 cmのものが2枚できるように、一回切るだけで済みます。側壁にプレキシガラスをあてがうと、約1フィート(=12インチ=約30 cm)分 合板の上に出て、4インチ(約10 cm)分は支えとなる木枠の部分を占めるようになるでしょう。(図 #2をご覧ください。上の細長い絵がそうです) そこで一つご注意いただきたいことがあります。それは、皆さんがもしかすると完全に4×8フィートの長方形の合板(底部の支柱も同様です)を、数インチ小さくしたいと思われることについてです。その場合、側壁としてプレキシガラスをあてがうとき、余分な数インチを切れば良く、プレキシガラス同士が直角で交わる角の部分を、確実に頑丈に仕上げることができます。但し、もし合板とプレキシガラスを、書いてある寸法をそのまま信用すれば、ここでの寸法に合わせるために、(プレキシガラスを)半インチほど短くすることになるかもしれません。そうすると、プレキシガラスを組み立てたとき、角のところで隙間が生じ、わずらわしく感じられるでしょう。
プレキシガラスは、合板の下の位置で、ドリルを使ってねじ穴をあけます。その際に用いるドリルの刃は、使おうとするねじの軸の太さと同じでなければなりません。プレキシガラスをドリルで穴をあける際は、ゆっくりと、そして熱が生じないよう、注意深く行なってください。もし熱くなりすぎたら、プレキシガラスが解けはじめてしまい、そうなるともはや元に戻せず、せっかくあけたねじ穴が台無しになってしまうからです。次に、ねじの頭と同じ太さのドリルの刃を使って、プレキシガラスの表面から少しの部分まで削ります。奥まで削ってはいけません。このようにねじ穴の頭を円錐状に削ることによって、ねじの頭がプレキシガラスからはみ出ず、平らに仕上がります(図 #2)。私は、底から1~1.5インチ(約2.5~3.8 cm)の高さのところに、まずねじ穴をあけ、更にそのねじ穴から1.5インチ真上に、それぞれねじ穴をあけることをお勧めします。ねじを留める部分は、横方向には1.5~2フィート(約45~60 cm)離れていても構いません。ねじ穴をあけるのが終わったら、プレキシガラスを取り付け、角で余った面があれば、プレキシガラス用のカッターまたはトリマーで、それを切り取ります。
そのタートルテーブルを補強するのは、非常に簡単です。それは、プレキシガラスの外側に、木製の薄板をめぐらし、それを長めのねじで固定するという方法です。その際上記で、一か所に2つずつ用いると説明しているねじで、その薄板を留めるのです。そのため、ねじは始めにその薄い板を通り、そしてプレキシガラスを貫通し、その奥の木枠まで届き、そこで留まる形になります。この場合は、ねじの頭を埋め込むために円錐状に削るのは、プレキシガラスではなく、その外側の薄板にします。このように薄板をめぐらせることは、特に力の強い、行動的なリクガメに対して、効果的な補強になります。
最後に、普通の水槽用のシーラントなどで、その内側の四隅と、プレキシガラスと合板が交わる継ぎ目のラインに塗って、固めます。それらのシーラントなどは、一晩は置いておいて、固まる際に発生する有毒な気体を発散させます。これで、シーラントにより防水の役割が得られ、四隅がしっかりと結合します。もし、プレキシガラスと合板が交わる継ぎ目のところに、そのようなシーラントを施していない場合は、その隙間から水などが漏れることがあります。
あとは、それを置くべき場所に乗せるだけです。私は周囲の3つの側面の下に、1つずつ本棚を置き、残りの1面は(部屋の)壁にくっつける形にしています。ここで用いている本棚は、高さが2フィート(約60 cm)で、この高さだと私もプレキシガラスのてっぺんに難なく届くので、ちょうど良いと思います。そして例の穴にトレイを差し込み、水を張って、あなたのカメを入れて、完成です。
私はタートルテーブルの作り方について、基本的なことは明確に説明しましたが、このタートルテーブルには、バリエーションを加える余地が、非常にたくさんあるのです。それは、あなたにとって便利な方向にも、そしてカメたちの要求にかなう方向にも、です。それは水入れ、餌、環境全体に温度差をつけること、適切なライト(フルスペクトルの蛍光灯は不可欠です)、すきま風対策、また他のカメや、(飼い主を含む)人間の、飼育環境への立ち入りから逃れるための隠れ場所の設置などがありますが、それらだけにとどまりません。しかしタートルテーブルは、皆さんのニーズに沿って、そのデザインを変えようと思われるかもしれませんし、またそのようにしても構わないのですが、その時は常に、皆さんはカメが住む場所を作っているのだということ、そしてそれを作るのはカメの要求を第一に重視することを忘れないでください。
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