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ハナガメ (Ocadia sinensis) ― ダレル セネーク
英名:Chinese Striped-neck turtle またはGolden Thread Turtle
(Translated by Yasunori Tanaka)
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sinensis)
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分類学上の遍歴: *
Emys sinensis GRAY 1834
このケアシートは一般的な飼育方法です。最良の飼育方法を確立する為には、更なる研究が不可欠です。
アジア産のカメは、食性や丈夫さの点でPseudemys属(クーターガメやアカハラガメが属する)と同格だと、多くの人が考えていますが、ハナガメという美しいカメが、それに付け加えることのできる種類であるということがしばしば見過ごされます。養殖業者からの個体が、しょっちゅう出回り、とても安い値段で売られているというのは、特にそれがアジア産のカメであることを考えると、ハナガメにとって、気の毒なことです。このカメは、中国やベトナム、海南島や台湾の、流れの緩い川、また沼などに見られます。ハナガメはほぼ草食ですが、たまに動物性のものを食べることもあるものです。例外的に大きな個体では25 cmほどに達しますが、成体でも20~22 cmのものがより普通に見られます。この種は亜熱帯から熱帯の気候に生息し、冬眠はしません。
ハナガメの屋内飼育 – 屋内でハナガメを飼うのに最も便利なのは、水槽を使う方法です。子ガメには、7.5~15 cm の深さの水場を用意し、水槽の片方に、甲羅干しができるように、岩を組み立てることをお勧めします。子ガメの為の適当な水槽の大きさは、20ガロン水槽(75 cm×30 cm)です。その子ガメが、その環境で成長するにつれ、更に大きい水槽が必要になってきます。ハナガメは全て、水中で泳ぐのがとてもうまく、水深が深いからといって、チズガメたちが成育するのに危機的な要因にはなりません。ハナガメが10cmから成体の大きさになるまでは、20 cm~60 cmの水深がちょうどいいでしょう。
水質は非常に重要です。少しの時間とお金で、環境を整え、適当な濾過器を買えば、水棲ガメについてまわる多くの問題が防げるのです。私たちはハナガメの成体には、簡単に掃除ができる上、最高の水質が得られる、円筒型の外部設置式の濾過器をお勧めします。子ガメにはその浅い水深のため、良い濾過器を取り付けるのが難しくなりますが、こういった場合は潜水式のフィルターか、パワーフィルターを用いて、必ず水を頻繁に替えて下さい。
金物屋で手に入るような、反射板のついた、クリップつきのランプを水槽の一角に設置して、人工的な甲羅干しの施設を作ってやりましょう。これは飼育環境の中にある、甲羅干しの為のバスキングスポットが、摂氏32度ほどになるようセットしましょう。水槽には他に、UVB(中波長紫外線)をカメに与える為に、フルスペクトルの蛍光灯を設置する必要があります。UVBは、ビタミンD3(カルシウムの代謝に必要)の生合成の為に、なくてはなりません。できるなら、この蛍光灯の代わりに水銀ランプを用いてもいいでしょう。それで甲羅干しと紫外線のどちらの要求にも適います。実際の水草、または人工水草を植えておくと、カメにとって安全感が増し、隠れるスペースもできるので、お勧めです。
屋外での飼育 -
外敵が入り込まないようにした屋外での飼育は、屋内での飼育を超えた、様々な利点があり、暖かい時期は屋外での飼育を、一つの方法として考えてみられてはいかがでしょう。子供用のプールを安全な飼育場所の地面に埋め込んだものが実用的です。屋外での大きめの水場に、高品質な濾過器を用いると、皆様の屋外のハナガメの住まいに壮観な眺めを演出します。
餌. 皆様のハナガメには、餌を与えすぎないように注意して下さい。私は、成体であれば週にたったの2回か3回、急速に成長する子ガメには、毎日か隔日の餌やりをお勧めします。ハナガメは草食性で、マスタードグリーン(カラシナ)やカブの葉、タンポポ、ホウレンソウ、ニンジン、ズッキーニといった野菜のほか、例えばアオウキクサ、ウォーターレタス(ボタンウキクサ)やホテイアオイなどといった水生植物を食べるものです。付け加えて、餌の一部として切ったリンゴ、ブドウ、メロン、そしてバナナといった果物も喜んで食べます。ハナガメはまた、時々 昆虫やイモムシ類も食べます。子ガメは成体に比べて、肉食傾向がいくぶん強いように見受けられます。こんにち、商業的にカメの餌として市場で売られているものは、ハナガメの栄養補助的なフードとして、とても優れています。
追加的にカルシウムの栄養補助をすることは欠かせません。カルシウムの粉末は全ての餌に振りかけられます。もしカメを屋内で飼育しているのであれば、カルシウムと共に、ビタミンD3のサプリメントを、屋外飼育の場合はビタミンD3なしでカルシウムだけのサプリメントを与えることを提案いたします。イカの骨は、かじりたがるのであれば、与えることをお勧めします。
医療と健康 : この種は頻繁に人工飼育下で繁殖されているので、アジアの食料市場(しじょう)から輸入されることもないし、そういった輸入されたばかりの個体に伴う諸問題に遭遇することもないでしょう。全ての水棲ガメには、呼吸器系に異常がないか、同様に甲羅が菌などに感染していないかと、その前兆を絶えず、注意深く観察することが必要です。
この種は自然下では冬眠しません。寒くなる時季を利用して、ハナガメの繁殖活動の促進する飼育者もいらっしゃいますが、ハナガメが普通に見られる亜熱帯の気候よりも寒さが厳しくなる場所で、ハナガメにそういったことをさせるのは、お勧めできません。
様々なカメの飼育の研究が、まだ進行中であるということは、注意しておかなければならないことです。新しい情報が手に入れば、我々はその情報を、World Chelonian Trust(ワールド・ケロニアン・トラスト、www.chelonia.org )で公開していきます。カメをまじめに飼育している人は、同じ種類のカメを飼育している他の人からの援助を受けられることが、役立つものであることに気づかれています。飼育については、我々のメールコミュニティー(英語)で討論できます。そしてそれに参加するには上記アドレスからアクセスして下さい。どうか我々と連絡を取り、World Chelonian Trustのメンバーになられて多くの益を得て下さい。
参考文献(サイト):
*EMBL(European
Molecular Biology Laboratory
(欧州分子生物学研究所))の爬虫類データベース
http://www.embl-heidelberg.de/~uetz/LivingReptiles.html
1999年、Chen, T. H.(陳添喜)及び K. Y. Lue(呂光洋)による、台湾北部の基隆(キールン)川におけるハナガメ、Ocadia sinensis (カメ目、バタグール科)、両棲爬虫類学ジャーナル33巻の3、463~471ページ。
www.chelonia.org - World Chelonian Trust
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