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ホウシャガメ Geochelone (Astrochelys) radiata クリス タバカ DVM(獣医学者) 及び ダレル セネーク

(Translated by Yasunori Tanaka)

 

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Radiated Tortoises  - Geochelone (Astrochelys) radiata - Chris Tabaka DVM and Darrell SennekeQuiz: Starred Tortoises of the Genus Geochelone - Which "Starred" Tortoise is This? Chris Tabaka DVM and Darrell Senneke

Video - G. radiata Breeding

Video - G. radiata "Rain Dance"

このケアシート(飼育方法の説明書き)は、この種の一般的な飼育方法を述べているにすぎません。最良の飼育方法、また繁殖方法を確立するためには、更なる研究が不可欠です。

 

リクガメ愛好家に“radiata”と言えば、その人は話をやめ、目がかすんでしまい、顔が茫然となるものです。それほどの力が、マダガスカルに生息するGeochelone radiata、つまりホウシャガメにはあるのです。

 

人々がこんな反応をしてしまうのには、たくさんの理由があります。確かなのは、 この神秘的な雰囲気をただよわせることになった背景の、多くを占めるのは、ホウシャガメがCITES(ワシントン条約)附属書Iに記載されており、米国の絶滅危惧種のリストにも載っているところにあります。このことによって、最も厳重に保護された種のリクガメと扱われ、そのために「禁断の木の実」の効果を訴えかけるものとなってしまっています。それでも人々が時間や労力、基金を推し進め、犠牲も払い、人工繁殖個体の場合は(規制が)許され、それらの個体であれば、手に入るようになっています。マダガスカルというエキゾチックな、その神秘の島は、ほとんどの爬虫類学者によってその固有種が知られるところとなり、それがまたこの島全体の神秘性を強めています。そこへ、この信じられないほど美しいカメが添えられることで、多くの人にとってこのカメが「夢のリクガメ」と呼ばれる結果となりました。見る人をぼう然とさせるほどの魅力のある、その黒色の甲羅は、黄色の模様で描かれ、くっきりとしたコントラストを示しています。ホシガメ(Geochelone elegans)も似たような環境で進化を遂げ、星の模様も似ているのですが、ホウシャガメのほうがその模様が入り組んでおり、大きくなります。この同じような模様は、人々が捕まえたり、写真をとったりする場合には目立ちますが、ホウシャガメの自生している地域に生えている、とげの多い潅木や、背丈の高い草の中では、ほとんど目立ちません。ホウシャガメはリクガメの中でも大きめの種類で、40 cmに達し、16 kgほどの重さになります。ホウシャガメの成体は、見る人に実に深い印象を与えます。

 

色々な方法で、ホウシャガメは、その飼育という点では、他の多くのリクガメと組み合わせて考えられています。しかしホウシャガメは、ヒョウモンガメ(Geochelone pardalis)のように、周期的にやってくる非常に乾燥した時季を過ごしています。同時にまた、ホウシャガメはモンスーンがやってくる地域に生息しており、激しい雨が降り、一般に非常に湿度の高い時季をも経験しています。ホウシャガメは進化を遂げて、ある行動を行なうようになりました。それは、文字通り雨の中で「踊って」、自分の身体についた堆積物を振り落とすかのようにする、といった行動です。このカメはまた、モンスーンの時季に、水たまりの水を飲むということもあるものです。ホウシャガメを乾燥したところで飼育がなされているとしても、ちょうどアカアシガメ(Geochelone carbonaria)のように、かなり湿度の高い飼育環境で飼うこともできます。

 

ホウシャガメの屋内飼育 - ホウシャガメを飼育するのに最も便利なのは、「タートルテーブル」を使う方法です。その外観は、本棚の一部を後ろ向けに倒したような形に見えます。子ガメ一匹あたりでは、60 cm × 90 cmが適当な大きさになります。ホウシャガメが成長するにつれて、飼育場も大きくしていかなければなりません。ホウシャガメの成体一匹あたりでは、少なくとも240 cm × 120 cmの大きさが必要になります。「タートルテーブル」の底を切って、穴を開け、そこに餌や水、更に巣箱をも同じ高さに来るように埋め込むと、それらがカメにとって、近づきやすいものとなります。

 

飼育環境の中での水場は、ホウシャガメが望めばそこへ入って、一匹分が完全に浸れるほどの大きさが必要です。また溺れるのを防ぐため、深すぎてはいけません。この場合は、湿度に関するこのカメの特徴から、イトスギの樹皮(訳者注・一般に、園芸用の根覆いとして扱われる)を床材(主に陸棲種の飼育環境の下地として敷く物)を選ぶと良いでしょう。

 

水槽の一角に100 Wのランプを設置して、人工的な甲羅干しの施設を作ってやりましょう。これは飼育環境の中にある、甲羅干しの為のバスキングスポットが、摂氏35度ほどになるようセットしましょう。水槽には他に、UVB(中波長紫外線)の供給のため、フルスペクトルの蛍光灯を設置する必要があります。UVBは、ビタミンD3(カルシウムの代謝に不可欠な成分)の生合成の為に、なくてはなりません。できるなら、この蛍光灯の代わりに水銀ランプを用いてもいいでしょう。これは甲羅干しの際の熱と、紫外線の供給の、両方の役割をします。甲羅干しのスポットから離れた場所に、カメがほの暗い所で涼めるように、身を隠せる箱のようなものを置いておきましょう。


屋外飼育 外敵の入ってこないようにした屋外飼育は、屋内飼育を超えた様々な利点があるので、暖かい時季には選択肢の一つとして真剣に考えてみられてはいかがでしょう。飼育場のいくつかの場所には、ホウシャガメがほの暗いところで涼めるように、植物をたくさん植え込んでおきましょう。このカメは、ホシガメほど草の多い茂みに行こうとはしないのですが、それでもやはり、そういう所へ行こうとすることはよくあります。泥地を用意してやると、そこで転げ回るように遊び、皆様の飼っていらっしゃるホウシャガメは、きっと喜ぶでしょう。ホウシャガメは、巣箱や犬小屋のような、人工的に作った隠れ場所を置いてやると、すぐにそれに慣れて、好んで入るようになります。夜、涼しくなる地域では、その隠れ場所を、セラミックヒーターで温度管理し、摂氏16度よりも暖かくしましょう。ホウシャガメは、程ほどの寒さには強い種です。

 

ホウシャガメは、基本的に草食です。他のリクガメ同様に、タンパク質を与えすぎると、甲板がピラミッド状に盛り上がる傾向があるので、避けましょう。また、ホウシャガメは、食べ物の色が赤いと、特に興味を感じるものです。
 
次のような餌を与えます:

成体になると大きくなるので、追加的なカルシウムの栄養補助は、絶対に欠かせません。ホウシャガメの健康な発育、また健全な卵の産卵のため、粉末のカルシウム剤は週に一度、すべての餌に振りかけて与えると、カメたちの要求する栄養を満たすことができます。追加的にカルシウムの栄養補助を行なうのは不可欠です。粉末カルシウムは全ての餌に振り掛けてもいいです。もし屋内飼育の個体ならカルシウムと一緒にビタミンD3も入っているものを、屋外飼育個体の場合はビタミンD3なしでカルシウムを与えることをお勧めします。イカの骨も、欲しがるのであれば、それを与えて かじらせることをお勧めします。イカの骨も、欲しがるのであれば、カルシウム成分が入っており、またくちばしの健全な発育のため、それを与えて かじらせることもお勧めします。屋内飼育をしている場合、床材として敷いているイトスギの樹皮や、その他のものは、ホウシャガメの甲羅や皮膚が乾ききってしまわないように、その床材の湿り気には変化を与えないようにします。屋外飼育の場合、砂の多いところに、餌をじかに置くべきではありません。砂を食べると、胃腸を詰まらせることがあり、それで死ぬことさえあります。著者の一人の経験では、あるホウシャガメをじかに検死したところ、砂が詰まっていたために、腸ねん転を起こしたため、死亡していたこともありました。餌を置く場所は、砂の全くないところでなければなりません。

 

医療上の注意 一般的には、ホウシャガメは非常に丈夫な種です。著者のうちの一人にも、次のようなカメの医療上の問題に遭遇しました。腸に砂が詰まって死んでしまうというケースや、餌に入っているヨードが不足したため、甲状腺腫(頚の側面が、赤く腫れあがる。餌にヨードを混ぜれば解決できる)ができてしまったケース、特定できないウィルス性脳炎といったケースがです(恐らくヘルペスウィルスが原因でしょう。それで、異なる種を決して同じところで飼ってはならず、特に医療の問題を抱えている可能性のある個体の場合は、尚のこと同じ場所で飼ってはいけません)。


ホウシャガメの、野生での個体数が凄まじい圧力下にあり、このことはJohn Behlerの、「ワシントン条約動物委員会」とその関係者に、アナンドリアナでの死のエリア(訳者注・労せずに死体が見られる場所)のことを詳しく述べました*。このことが非常に重要なのは、可能であれば、皆様のホウシャガメを繁殖するよう、全ての努力をすることを示しているからです。(飼育されている)ホウシャガメの中には、不適切な餌のために、非常に深刻な病状を呈しているものもいます。それは甲羅が平らになったりつぶれていたりするものもいれば(写真をご覧ください)、甲羅がピラミッド状に盛り上がったものもいます(写真をご覧ください)。健康な個体であれば、繁殖をさせるべきだという重荷を背負っています。この地方にお住まいの方は、どうか著者たちに、専門的な飼育技術などを、お気軽にご相談ください。

ホウシャガメに見られる、餌に起因する不恰好な個体

不適切な餌のため、甲羅が「平らになった」ホウシャガメ

不適切な餌のため、甲羅がピラミッド状に盛り上がったホウシャガメ

 

ホウシャガメは、自然界では冬眠をしません。お住まいの場所が熱帯でなければ、カメの健康やいい状態が続くよう、寒い季節には、屋内の暖かい環境を用意してやらなければなりません。

 

様々なカメの飼育の研究が、まだまだ進行中であることに注意して下さい。新しい情報が手に入れば、我々はその情報を、World Chelonian Trust(ワールド・ケロニアン・トラスト、www.chelonia.org)で公開していきます。カメを真剣に飼育している人は、同じ種類のカメを飼育している他の人からの援助を受けられることが、役立つものであることに気づかれています。飼育については、我々のメールコミュニティー(英語)で討論できます。そしてそれに参加するには上記アドレスからアクセスして下さい。どうか我々と連絡を取り、World Chelonian Trustのメンバーになられて多くの益を得て下さい。

 

* Turtle and Tortoise Newsletter 2000年、5版、1819ページ。© 2000 『カメ類研究財団』(Chelonian Research Foundation)による


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PO Box 1445

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