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Cyclemys (マルガメ属)© - クリス タバカDVM(獣医師) 及び ダレル セネーク 

(Translated by Yasunori Tanaka)

 

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Genus: Cyclemys (Asian Leaf Turtles)© - Chris Tabaka DVM and Darrell Senneke 

Bladschildpad (Cyclemys) - Chris Tabaka DVM and Darrell Senneke


マルガメ属の種類:

Cyclemys atripons  (IVERSON & MCCORD 1997) (原文注1

Cyclemys dentata   (First described as Emys dhor GRAY 1831)(原文注2

Cyclemys oldhami   (GRAY 1863)(原文注3

Cyclemys tcheponensis  (Initially known as Geoemyda tcheponensis BOURRET 1939)(原文注4


 

このケアシートは一般的な飼育方法です。最良の飼育方法を確立するためには、更なる研究が不可欠です。

 

現在Cyclemys属、つまりマルガメ属は、4つの種に分けられています。この広範囲にわたって生息している属に関しては、研究が進むにつれ、更に何種類にも分かれていくだろうということは、ほとんど確実です。アメリカの中西部から南部のチズガメ 属(Graptemys)が、生息する川の流域が異なれば、個体群の間に、はっきりとわかる差異が認められましたが、それとよく似た形をとるでしょう。マルガメ属はしばしばアジアコノハガメ(Asian leaf turtle)と呼ばれますが(訳者注・日本でもこのような名称で呼ばれることはありますが、非常に少ないです)、これは「コノハ」(leaf)という言葉を持つ他の種類のカメとの間に、いくらかの混乱をもたらしてきました。同じく「コノハ」という言葉を含むものに、一般的な名前で“Black-breasted leaf turtle(日本語では「クロムネコノハガメ」と訳せるだろう)”や、“Vietnamese leaf turtle(同・「ベトナムコノハガメ」)”と呼ばれる、(マルガメ属ではない)スペングラーヤマガメ(Geomyda spengleri)、また同様に“Vietnam leaf turtle(同・「ベトナムコノハガメ」)”と呼ばれる、(やはりマルガメ属ではない)アンナンガメ(Annamemys annamensis)があります。

 

Cyclemys dentata Cyclemys tcheponensis

 

現在、この種はペットの取引で頻繁に輸入されています。しかしこれは変化するかもしれません。なぜなら、アジアの食品市場(しじょう)にも用いられるからです。世界のその地域で、食べるものや、漢方薬などの伝統的な薬の利用が、急に変わることがなければ、これからの数年のうちに野生で捕らえられたマルガメ属のカメの利用が衰退していくのは確実です。更なる情報をお求めであれば、ワールド・ケロニアン・トラストがwww.chelonia.orgで主催している「中国における動物市場」(訳注・日本語版あり)をご覧下さい。幸運なことに現在、デンタータマルガメ(Cyclemys dentata)はある程度の頻度で人工繁殖がなされており、その他の種もきっとその後に続いて、繁殖する人や業者が、更にたくさんのマルガメ属のカメに焦点を当てるようになることは間違いないでしょう。

 

Cyclemys属、つまりマルガメ属のカメの背甲は丸いです(そのためにその属の学名は「丸いカメ」という意味です)。成長すると約25 cmの長さになります。基本的な腹甲の色は、大抵茶色で、その中でいろいろな色合いがあり、背甲はたまに、各甲板に放射状のラインが見られることもあります。マルガメ属のカメには、背骨に沿う形で一本のキールがはっきり見られ、背甲の後ろのほうは、端にギザギザが見られます。これはカメが幼いときにずっと顕著に見られ、これはきっと、自分が捕食動物、例えばカエルや魚類などがそれを飲み込むもうとする際、場合によってその子ガメのギザギザの甲羅が何らかの防御になっているのかもしれません。大きく成長した成体は、腹甲に横方向に蝶番(ちょうつがい)ができますが、これはメスの場合だと、産卵のとき、卵が産道を通りやすくする役目を果たしているのかもしれません。

 

Cyclemys dentata - carapace Cyclemys dentata - plastron

 

 マルガメ属の幼体は、水棲傾向がかなり強く、甲羅干しのため(だけに)陸場に上がるカメと同じように飼育することができます。マルガメ属のカメは歳をとるにつれ、だんだん陸棲傾向が強くなり、成体ではほとんどの時間を陸で過ごすようになります。マルガメ属のカメは、野生では池や幅の狭い川、また流れの遅い小川の中や、その近くで見つかります。マルガメたちは、泳ぎは得意でなく、水中を自由に泳ぎまわるよりはむしろ、水の底を歩くのを好みます。Das(原文注5 によると、成体になると陸場で過ごし、昼の間は水場に移ってそこで過ごすということです。

 

(少なくともデンタータマルガメにおいては、)ブリーダーが繁殖に成功していて、繁殖で生まれた個体群の中から、デンタータマルガメの幼体たちを買うことができます。このような個体は、野生で捕らえられたものよりもずっと健康で、飼育環境に良くなれているので、ペットとしてもずっと望ましいものです。

 

マルガメ属のカメの屋内飼育 マルガメ属のカメの中でも、子ガメを屋内で飼育するのに、一番便利なのは、水槽を使う方法です。子ガメには510 cmの水深にします。水槽の片側には岩を組んで甲羅干しの為の場所を作ります。子ガメにとっては、20ガロン水槽、つまり75cm×30cmの大きさが適当です。カメが大きくなるにつれて、飼育環境も大きくしなければなりません。

 

水質は非常に重要です。少しの時間とお金をかけ、適当な濾過器を買えば、マルガメ属のカメに伴う多くの問題が防げるのです。子ガメには水深の関係上、良い濾過器を取り付けるのが難しくなりますが、こういった場合は潜水式のフィルターか、パワーフィルターを用いて、必ず水を頻繁に替えて下さい。

 

金物屋にあるような、反射板のついた、クリップつきのランプを水槽の一角に設置して、人工的な甲羅干しの施設を作ってやりましょう。これは飼育環境の中にある、甲羅干しの為のバスキングスポットに当たる場所が摂氏32度ほどになるようセットしましょう。水槽には他に、UVB(中波長紫外線)をカメに与える為に、フルスペクトルの蛍光灯を設置する必要があります。UVBは、ビタミンD3(カルシウムの代謝に必要)の生合成の為に、なくてはなりません。できるなら、この蛍光灯の代わりに水銀ランプを用いてもいいでしょう。それで甲羅干しと紫外線のどちらの要求にも適います。実際の水草、または人工水草を植えておくと、カメにとって安全感が増し、隠れるスペースもできるので、お勧めです。

 

成体には、飼育環境の、少なくとも50%は陸場にすることをお勧めします。水の深さは、カメが底に脚をつけて立てば、簡単に水面に鼻を出して呼吸ができる程度のものでなければなりません。

 

屋外での飼育 - 外敵が入り込まないようにした屋外での飼育は、屋内での飼育を超えた、様々な利点があり、暖かい時期は屋外での飼育を、一つの方法として考えてみられてはいかがでしょう。子供用のプールを、屋外の安全な飼育場所の地面に埋め込んだものが実用的です。屋外での大きめの水場に、高品質な濾過器を用いると、皆様の屋外のマルガメ属のカメの住まいに壮観な眺めを演出します。

 

. この属のカメは、まさしく雑食性です。これらのカメは野生では、イチジク、また他の果物類、腐肉、魚、そして甲殻類を食べます。飼育環境では、この野生での餌をできるだけ同じように再現させましょう。皆様のマルガメ属のカメに、餌を与えないように注意しましょう。病的なほどの肥満が、よく発生する問題として発生するからです。成体には週に2回か3回、成長の速い子ガメには、毎日わずかずつ与えるか、隔日に与える、という与え方が適切です。マルガメ属のカメは、こんにち、ショップで売っているカメ専用の餌も、すぐに慣れて食べるようになります。 

 

望ましい献立 :

                商業的にカメの餌として売られているもので、例えばPurina Aquamax または Mazuri freshwater turtle diet(淡水ガメの餌)

果物 (イチジクやその他軟らかい果物)

昆虫

イモムシ類

 

市販の餌で、栄養が完全に確保されているものを、全ての餌のうちかなりを占めるのでなければ、追加的にカルシウムの栄養補助をすることは、欠かせません。カルシウムの粉末にビタミンD3を混ぜたものは、全ての餌に振りかけてもいいでしょう。イカの骨は、もしカメがかじりたがるようであれば、与えることをお勧めします。

 

医療と健康 : 輸入されたばかりのマルガメ類には、医療措置をすぐにとる必要があるもたくさんいます。この種のカメは、アジアの市場(しじょう)で多くの病原菌にしばしば さらされており、そのために、素早く医療上の手当てをしてやる必要があるのです。輸入されたばかりの個体が、敗血症の菌や原虫に感染しているのは、普通のことです。

 

薬の与え方は、インターネットや専門書などにも書いてありますが、時代遅れの情報であることも多く、潜在的に危険です。どうか皆様のカメのケアのことは、かかりつけの獣医師の方々と距離を置かずに、知識を得てください。

 

様々なカメの飼育の研究が、まだまだ進行中であるということは、注意しておかなければならないことです。新しい情報が手に入れば、我々はその情報を、World Chelonian Trust(ワールド・ケロニアン・トラストwww.chelonia.org )で公開していきます。カメをまじめに飼育している人は、同じ種類のカメを飼育している他の人からの援助を受けられることが、役立つものであることに気づかれています。飼育については、我々のメールコミュニティー(英語)で討論できます。そしてそれに参加するには上記アドレスからアクセスして下さい。どうか我々と連絡を取り、World Chelonian Trustのメンバーになられて多くの益を得て下さい。


 

原文注1 : Cyclemys atripons 及び Cyclemys pulchristriata の学名は、どちらもほとんど同時に記載された。FRITZ et al. 2001年、それらはとてもよく似ているものの、同一ではない証拠を提示している。それらはタイ南東部、カンボジア、ベトナムで発見された。

 

原文注2 : インド北部、バングラディシュ、ミャンマー、タイ、カンボジア、ベトナム、マレーシア西部、インドネシア(スマトラ島、ジャワ島、ボルネオ島そしてバリ島)、フィリピン(パラワン島、カラミャン諸島など)、及び中国において広範囲に生息する。

 

原文注3 : インド(タライ平原)、ミャンマー、タイ、マレーシア(ボルネオ西部)及びインドネシア(スマトラ島、ジャワ島)で発見された。

 

原文注4 : 1991年にDasにより、Cyclemys tiannamensisから改正された。ベトナム北部、ラオス、タイ北部、及びカンボジアから発見された。Cyclemys tiannamensisの、中国で発見された地域変種は、Fritz et al.が、市場から買ってこられた個体ではないかという疑問を投げかけている。1976年に、McMorrisにより、 Cyclemys dentataのシノニム(同種異名)から移された種である。

 

原文注5 : Indraneil Das 著の“Turtles and Tortoises of India”という本による。Madras Crocodile Bank Trust(マドラス・クロコダイル・バンク・トラスト。これはインドにある生物の保護施設の名である)の爬虫両生類学センターより、1995年にオックスフォード大学で刊行。(この保護施設も共著という形をとっている。) この本のISBN(国際標準図書コード)は次の通り: 0 19 563727 5  


 

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  www.chelonia.org - World Chelonian Trust (Page updated January 28, 2003)

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