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Chinemys reevesii (クサガメ(リーブスクサガメ))の飼育 ―ダレル セネーク
(Translated by Yasunori Tanaka)
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このケアシートはクサガメの一般的な飼育方法です。最良の飼育方法を確立するためには、更なる研究が不可欠です。
このケアシートの著者の意見では、カメの飼育の初心者にとって、最も、それも抜きんでて適しているカメというのは、人工繁殖で生まれたリーブスクサガメ(訳者注 ・ 以下「クサガメ」と表記)です。信じられないほど人に馴れやすく、そして見ていて魅力的です。クサガメは、水棲ガメの中では飼い犬のようなものです。クサガメの生息域は、中国、台湾、日本、そして香港です。野生でのクサガメは、水の浅い湿地か、陸場にいることがあっても、すぐにそういった水場に近づけるところにはいます。小さくて可愛らしいクサガメの背甲は、黒から小麦色にわたる色を呈し、三本のキールがはっきり見られますが、年を重ねるにつれて、いくぶん滑らかになり、はっきりしなくなります。顔や首には、途切れた黄色い線が見られます。その皮膚も、色は背甲と同じく、黒から小麦色を呈します。クサガメの成体は、基本的には最高で12 cmに達しますが、地域変異種は、30 cmの長さに達するものもいるということが知られています。
クサガメが最も繁殖させやすいカメの一種であることから、この種のカメたちを、人工繁殖下で生まれた個体群の中から買うことができます。私が強く提案したいのは、野生から捕まえてこられたクサガメは買わないほうがいい、ということです。人工飼育下で生まれた個体は、とても丈夫である一方、捕まえられたり、人に触れられたり、他の種のカメと一緒に収容され、船積みされた野生で捕まえられたクサガメ、また他のアジア産のカメは、激しい衰弱を伴ったものとなり、結果としてすぐに獣医師によるケアが必要となります。このケアシートでは、クサガメの幼体の飼育についてを第一に扱います。それはクサガメの一生の中で、最も生命の危機が生じやすい時期であり、同時に、その時期のクサガメを買うことになるのが、一番 一般的なことだからです。
クサガメの室内飼育
–
クサガメは、更に正確に言うならば、「半水棲」のカメです。野生ではクサガメはかなりの時間を陸場で過ごし、その様子はアカスジヤマガメの一種のようです。しかし子ガメは、ほとんど完全に水棲で、水から離れるのはもっぱら甲羅干しのときだけです。クサガメは歳をとるにつれて、だんだん陸棲傾向が強くなりますが、それでも遠く水から離れたところでは、見つかることはありません。人工飼育下では、クサガメは一般に水棲種として扱われており、水槽の環境によく慣れます。室内でクサガメの子ガメを飼育する際、最も便利なのは、水槽か、プラスチックの衣装ケースを用いる方法です。クサガメにとっては、水場が落ち着ける場所なのですが、泳ぐのはまるっきり不得手です。私がお勧めするのは、水深が5
cmか、それ以下の深さの水槽で、水底に「立って」、鼻を水中から出して息が難なくできるようにすることです。もし以上のような環境で飼育されるなら、水槽か衣装ケースの片側に、甲羅干しの場所を確保する為、岩を組み立てましょう。このタイプの飼育環境は水深が浅いため、濾過が難しく、また食べ残しの餌が見つからないこともあるので、水がすぐに汚れます。
これに代わって私が全ての半水棲やほとんど水棲の子ガメを飼うのに用いているのは、装飾や彩色などの飾りのない「傾斜タンク(原文“slant tank”)」を使う方法です。大体60 cm×40 cmの衣装ケースで、片方につっかいをつけて、底を傾けます。結果として、最も低いところで5 cmの水深を確保し、もう片方の浅い部分を乾いた陸場になるようにします。飾り付けがないので、頻繁で基本的な飼育場の掃除が、たやすくできます。安全感を与えるために、実際の植物としての水草、または作り物のそれを飼育場に植えることはできるでしょう。しかしこの場合、(作り物でなく)植物としての水草は、与えられていない分の食料の一部になるかもしれません。クサガメが大きくなると、容器のサイズを大きくし、水深も深くさせなければなりません。
クサガメが6 cmかそこらになると、この飼育容器から出して、(「傾斜タンク」や他の容器でなく)水槽に入れて飼うことができるでしょう。その大きさの、一匹のクサガメに対して手ごろな大きさの水槽は、20ガロン水槽、つまり75 cm×30 cmの大きさです。クサガメが成長するにつれて、水槽もまた大きくしなければなりません。このカメの大きさが、6 cmから典型的な成体のサイズである12.5 cmまでの間であれば、水深は20 cmから40 cmまでの間が、ちょうどいいでしょう。
水質は非常に重要です。「傾斜タンク」の水はとても浅いので、濾過器が使えないかもしれません。この場合は頻繁な水替えが欠かせません。クサガメの成体には、私たちは円筒形の外設式の濾過器をお勧めします。それは簡単に掃除ができ、最高の水質が得られるからです。水棲のカメについてまわる問題の多くは、少しの時間とお金で、環境を整え、適当な濾過器を買えば、防げるのです。
自然下では、クサガメが丸太や岩の上で甲羅干しをしているところをしばしば目にします。甲羅干しの場所を用意するために、人工飼育下では、金物屋で手に入るような、反射板のついた、クリップつきのランプを、飼育環境の乾いているほうの隅に取り付けてやりましょう。これを取り付ける場所は、飼育環境の中の甲羅干しの場所が、32度ぐらいになるように高さを調節してください。クサガメの住まいには、UVB(中波長紫外線)の出るフルスペクトルの蛍光灯も設置しなければなりません。UVBはビタミンD3(カルシウムの代謝に必要)の生合成に不可欠です。もしよければ水銀ランプを用いても構いません。これにより、熱源とUVBの両方の要求に適うでしょう。
餌. クサガメの子ガメは、与えられたいろいろな餌に、すぐに慣れて食べるようになります。それでも与えすぎないように注意してください。私がお勧めするのは、成長の速い子ガメには、毎日か隔日に一度だけの餌やりです。クサガメの子ガメは、非常に肉食傾向が強く、昆虫やイモムシ類、冷凍されたことのある魚を旺盛に食べますが、植物質のものもいくらかは食べるものです。アオウキクサのような水生植物も、喜んで食べるでしょう。クサガメは成長するにつれて、植物質のものを食べる割合がより多くなる傾向があります。こんにち、市場でコイやナマズの餌と同様、カメの餌として売られているものは、クサガメの幼体にもとてもよい餌になります。
追加的なカルシウムの栄養補助は不可欠です。粉末状のカルシウムは、全ての餌に振りかけることができるでしょう。もし屋内飼育の個体ならカルシウムと一緒にビタミンD3も入っているものを、屋外飼育の場合はビタミンD3なしでカルシウムを与えることをお勧めします。イカの骨も、欲しがるのであれば、それを与えて かじらせることもお勧めします。市販のカメの餌を与えていないのであれば、マルチビタミンの追加は欠かせません。脂肪の代謝に不可欠だからです。魚は凍らせると、その過程でビタミンEが破壊されます。この栄養素はクサガメの健康維持に重要な成分です。
屋外飼育 – 皆様のクサガメが3インチ、つまり7.5 cmかそこらの大きさになると、外敵の入ってこないようにした屋外飼育は、屋内飼育を超えた、たくさんの利点があるので、選択肢の一つとして真剣に考えてみられてはいかがでしょう。安全な飼育場所に子供用のプールを地面に埋め込んだものは、実用的です。大きめの池に高品質のフィルターをつけると、皆様のクサガメの住まいに壮観な眺めを演出します。
ある地域産のクサガメは、冬眠をするという指摘がありますが、皆様のクサガメが、元々どの地域のものか、正確にご存じでなければ、冬眠を試みることを私はお勧めしません。
様々なカメの飼育の研究が、まだまだ進行中であるということをご認識下さい。新しい情報が手に入れば、我々はその情報を、World Chelonian Trust(ワールド・ケロニアン・トラスト、www.chelonia.org )で公開していきます。カメをまじめに飼育している人は、同じ種類のカメを飼育している他の人からの援助を受けられることが、役立つものであることに気づかれています。飼育については、我々のメールコミュニティー(英語)で討論できます。そしてそれに参加するには上記アドレスからアクセスして下さい。どうか我々と連絡を取り、World Chelonian Trustのメンバーになられて多くの益を得て下さい。
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